台湾2020年1~7月木材市場の概況
(原木・製材品)

台湾の2020年上半期は新型コロナウイルスの感染症の流行により、 多くの業界で影響を受ける中、 今年1~7月の台湾における木材輸入は、 税関輸入統計のデータを見ると、一部に減少している品目があるものの、 全体的には昨年同期比で上昇している。 これは、今年上半期の国内住宅・建築市場が活発化に伴い、 建築・内装リフォーム需要が増加したことに起因する。




1.原木

2020年1~7月の原木輸入量は261,418m3で、前年同時期比9.3%減となった。原木の輸入元は次表のとおり。

※表中の5つの国・地域で、総輸入量の87.7%を占める。
国・地域輸入量(占有率)備考(樹種・用途等)
ニュージーランド78,257m3(29.9%)主な樹種はラジアタパインで、合板・LVL角材に加工される。
日本52,666m3(20.2%)樹種は大部分がスギ(柳杉)で、加工してセメント型枠として使用される。
パプアニューギニア36,556m3(14.0%)樹種は熱帯広葉樹で、角材・板材・家具・内装リフォーム材として加工される。
マレーシア34,747m3(13.3%)サバでの原木輸出一時停止の影響を受け輸入量が急減した。樹種はラワンや熱帯広葉樹で、板材・角材・家具・内装リフォーム材に加工される。
ソロモン諸島26,981m3(10.3%)樹種は熱帯広葉樹で、板材・角材・家具・内装リフォーム材に加工される。

2.製材品

2020年1~7月の製材品輸入量は795,561m3で、前年同時期と比べて2%増となった。製材品の輸入元は次表のとおり。

※表中の8つの国・地域で、総輸入量の96.6%を占める。
国・地域輸入量(占有率)備考(樹種・用途等)
ヨーロッパ304,414m3(38.3%)前年同時期に比べ72,306m3増加し、増加率は31.2%であった。主な樹種は雲杉・ツガ・チョウセンゴヨウ・オーク。
カナダ194,613m3(24.5%)前年同時期と比べ34,096m3減少し、減少率は14.9%であった。主な樹種はSPF・米松・ツガ。
オーストラリア65,092m3(8.2%)主な樹種はラジアタパイン。
中南米46,387m3(5.8%)改装・家具に使用する広葉樹製材が多いが、その一部にはラジアタパインもみられる。
マレーシア45,546m3(5.7%)樹種はラワンが最も多く、内装リフォーム及び家具に使用される。
米国42,163m3(5.3%)主な樹種はサザンイエローパイン・ツガ。
ニュージーランド39,179m3(4.9%)主な樹種はラジアタパイン。
インドシナ半島30,894m3(3.9%)樹種は様々であるが改装・家具に使用する広葉樹製材が多い。一部でアガチスもみられる。