なぜ地域材を使うべきなのか?
▶ 公共施設等の木材利用推進マニュアル(改訂版/平成13年3月)
Q3:なぜ地域材を使うべきなのか?
地域で生産された木材を利用することにより、社会に対してどのような影響を与えることになりますか?
地域材を使えば、地元の林業・林産業が潤おうので、その地域の産業を活性化させ、社会・経済に良い影響を与えます。
A1でも紹介したように、日本国内の「循環する森林」である人工林では木材価格の長期低迷により採算性が悪化し、手入れ不足のところも見られ、人工林を支えるべき地元の林業、林産業も衰退しています。地域材を使うということは、地元の森林にお金を返すことを意味します。循環すべき人工林は生産のためだけの森林ではなく、山地災害防止機能、生活環境保全機能、水源涵養機能なども兼ね備えているのです。山が荒れて、近くの海の恵みに大打撃を与えたという詰もあります。このように、地域材を使うということは、その背後にある森林を守り、自分たちの生活する環境を守ることに繋がるのです。
また、地域材を使うということは、その生産過程を地元で行うことになるので、地域経済を潤すことになります。輸入材を使った場合、恩恵を受けるのは生産地と商社などの輸入業者になり、地元にはお金は戻ってきません。地域材を使うということは、地元の産業の活性化に繋がり、そこでの技術・技能の伝承にも良い影響を与えます。
建設費を安く抑えることだけを考えるより、そこで使われたお金がどのような影響を与えるかをイメージしてみれば、地域材を使うことに深い意味があることがわかっていただけるでしょう。