木造建築の耐用年数は短いのでは?
▶ 公共施設等の木材利用推進マニュアル(改訂版/平成13年3月)
Q5:木造建築の耐用年数は短いのでは?
木材は腐るため、木造建築はすぐだめになってしまい建て替えなければいけなくなるのでは?
木造建築だから耐用年数が短いということはありません。逆に木造は、数百年の耐用年数を持つことが証明されている唯一の構造です。
木材は腐ります。しかし、それは水分状態、気温などの条件により大きく異なります。ですから、建築物のすべての部分が腐るわけではありません。設計時に、雨水への配慮や換気・通風の工夫、防腐処理設計を適切に行い、きちんとしたメンテナンスを行えば、全く問題ありません。鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物でも、設計・施工が適切でないものは極端に耐用年数が短くなることがあるし、これらの新しい材料を使った建物で100年以上のものはまだごくわずかです。一方、木造は立派な神社仏閣を例に出さなくても、一般の民家で数百年たったものがあります。
また、全ての構造に共通して、耐用年数は躯体の劣化ということより、機能的な面でユーザーの要求に応えられなくなり建て替えられることが多いのです。木造建築は劣化が予想される部分の取り替えがしやすく、プランの変更のし易い設計を行えば、他の構造に比べて耐用年数を延ばすことが可能です。材料自体の魅力を考えても、経年変化により魅力が増す材料は、木材を中心とした自然素材です。