2017年の原木輸入量は38万9,673m3で、統計を取り始めて以来最低水準となった。主な原因は、マレーシア原木の供給量の減少、価格の上昇、国内建築の不景気、根太材等下地材としてのLVLの利用へのシフトによる製材用原木の輸入量が減少したことが挙げられる。
輸入元をみるとマレーシアからの輸入が最も多く、12万3,319m3であるが、減少傾向にある。
次いで、ニュージーランドからの輸入が11万1,651m3あり、主に合板およびLVLの製造に使用されるラジアータパインである。近年台湾では、LVLの生産が主要となり、多くの無垢材市場に取って代わった。そのため、2016年、2017年のラジアータパイン原木輸入は10万m3を突破し、11万m3以上に達した。
日本は3番目の原木輸入元で、2017年の輸入は5万4,979m3であった。樹種は主にコンクリート型板となるスギである。スギの需要量は建築不景気により、2011年以来、輸入量は最低水準となっている。
マレーシアの原木供給不足により、台湾の原木業者は近年、ソロモン諸島およびパプアニューギニアからも熱帯雑木を輸入している。2017年の輸入量はそれぞれ3万2,467m3、1万6,050m3であった。
2017年の製材品輸入量は125万7,940m3で、2016年より商業用材の需要が高まり、増加傾向にある。
輸入元をみると、カナダからの輸入が最多で429,863m3であった。SPF、ヘムロック、ベイマツが大半を占めている。
次いでヨーロッパからの輸入が多く、24万4,591m3。クモスギ、チョウセンゴヨウが大半である。
3番目の輸入元のマレーシアからは、ラワン、熱帯雑木製材品を輸入している。
製材品の輸入全体を見ると、カナダ、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドからの輸入量が約75%を占め、その大多数が針葉樹製材品である。
近年、日本も台湾への製材品(主に針葉樹材)の輸出を積極的に推進している。
2017年の合板輸入量は57万8,551m3で、ここ10年間で最低水準となっている。国内の全体的な経済および建築不景気の影響を受けたものと見られる。
輸出元をみると、依然として中国からの輸入量が最多で、ここ数年の市場シェアは平均40%を超えている。次いでマレーシアからの輸入が多いものの、2013年以降、輸入量は下がり続けている。 一方、インドネシアからの輸入量は増加傾向にあり、シェアは20%を超えた。
これら3ヶ国の輸入量が輸入総量の93%を超えており、主要な合板輸入元となっている。
2017年のブロックボード輸入量は6,479m3であった。中国からの輸入が大半で市場シェアは1.5%未満である。ほとんどのブロックボードは国内業者により生産され市場へ提供されている。
2017年の単板輸入量は22万6,605m3であった。原木価格の高まりの影響を受け、単板の需要が増加している。
ここ最近、国内ブロックボード市場の需要の減少とともに、単板の使用率も減少している。 しかし、マレーシアからの輸入合板が減少しているため、ブロックボード業者は一部の生産能力を合板生産に切り替えている。特に4 mm以下の薄合板の利益は比較的高く、ブロックボード市場の損失を補っている。
輸入元をみると、マレーシアからの輸入量が最多であるが、市場シェアは2011年の69%から2017年に31%にまで下がった。ラワンおよび熱帯雑木単板が大半となっている。
次いで、中国、ベトナムからのユーカリ単板が多くなっている。次に、ニュージーランド、チリと続き、ラジアータパインが大半を占めている。その他、わずかではあるが、カナダ、ブラジル、ロシア、パプアニューギニアなどから輸入している。
2017年のランバーコア輸入量は35万9,852m3となり、過去10年間の中でも高い水準にある。この影響でブロックボード市場の価格が下落した。
ランバーコアの9割以上がマラッカギンネムの集成材であり、そのほとんどがインドネシアからの輸入となっている。長年にわたり、この傾向が続いている。
2017年のパーティクルボード輸入量は33万3,027m3で、統計を取り始めて以来、最高の輸入量となった。不景気、消費縮小の現在において、パーティクルボードは低価格で加工し易く、一部の合板およびファイバーボード市場に取って代わったことがその理由として挙げられる。ここ数年、輸入量は安定しており、30m3以上となっている。
輸入元をみると、タイからの輸入が最多であるが、トルコおよびイタリアからの輸入量が顕著に増加している。その理由としては、供給コストが比較的低いことが挙げられる。
2017年のファイバーボード輸入量は14万5,982m3で、低迷が続いている。輸入元をみると、タイからの輸入シェアが50%に達しており、他の供給元にも大きな変動はない。