過去数十年、世界的に森林被覆率は低下しつつあるが、 インドでは、森林被覆率(※1)が上昇傾向にあり、世界第10位にランクされている。 上位9カ国に対し、インドは、人口密度は2.5倍以上あり(※2)、 森林地においてそのような巨大な人口と家畜を擁しているにも関わらず、インドは森林資源を保持し、拡大している。
なお、森林被覆地の増加において特に顕著なのは、高密度林(VDF/被覆率70%以上)である。
2017年インド森林現況報告書によると、12の州では、マングローブの被覆地が増加している。 インド全体のマングローブの全被覆地は4,921km2で、2015年の前回の調査と比べて181km2増加している。 その生態系は豊かで、様々な生物が生息し、多様な生態系が営なまれている。
インドの森林地及び森林外樹木地(※3)における森林資源量は58億2,237万m3で、内42億1838万m3は森林地で、16億399万m3は森林外樹木地の樹木である。 前回の調査から全体では 5,399万m3の増加しており、 森林地における増加は2333百万m3、 森林外樹木地では3,065万m3の増加している。 なお、炭素貯蔵量は70億8,200万トンで、前回調査より3,800万トン増加している。
国内における竹林地は1,569万haで、2011年の前回の調査から、173万haの増加している。 森林地における竹の生息量は1億8,900万トンで、2011年の前回調査から、1,900万トンの増加している。 先般、連邦政府は竹を森林外樹木地の樹木カテゴリーから分離させる法律を国会に提出した。 これにより、人々は私有地にて竹を育てることができ、農家にとっては生計増加をもたらし、また国内の緑地が増加し、炭素貯蔵量の増加が見込まれている。
森林生態系の保護、気候変動の軽減、森林の水源涵養、参加型森林管理、都市部の森林化、並びに森林管理に係る関係者を監督する機関の設立とそのフレームワークを長期にわたりモニタリングできる、持続可能森林管理を目指している。 また多様な森林資源と共存できる豊かな文化遺産を育むため、1988年の国家森林政策を改正する必要が求められている。現行政策の目標、基本方針は、次のとおりである。
※1:インドの森林被覆率は24.4%
※2:上位9カ国は、人口密度が150人/km2以下であるが、インドは1km2当たりの人口密度は382人である。
※3:インドの森林現況報告によれば、
・面積が1ha以上あり、樹木の被覆率が10%以上あるものが「森林(Forest)」
・面積が1ha以上あり、樹木の被覆率が10%未満のものが「灌木林(Scrub)」
・面積が1ha未満で、樹木の被覆率が10%以上あるものが「樹木被覆(Tree Cover)」
と定義している。森林外樹木地(Trees Outside Forest)は森林とは区別され、これらの区分には含まれていない。