現在、ベトナムから輸出される家具は世界の木製家具市場シェアの約6%を占めており、今後は世界の家具生産の中心の一つとなることが見込まれている。しかし、輸出用の家具の原材料となる木材のほとんどを輸入に依存しており、毎年、生産のために20億ドル以上の木材を輸入しなければならず、コスト的な負担がかかっている。
ベトナム国内で生産される植林木の70~80%が小径木であり、主に輸出用チップやMDF等の原材料として使用されている。輸出家具用の原材料となる大径木は20~30%である。
原材料費はコスト構造の中で40~50%と高い割合を占めており、大きな課題となっている。コストダウンを図るためには、木材業界は国内原材料の調達に積極的に取り組むことが必要である。 加工業界向けの原材料木材の需要に占める国産材の割合を2025年までに80%以上を目指している。 この目標達成のためには、企業と企業、森林のリンケージを開発して 製品に価値を付加するための人と企業のつながりを拡大していく必要があるとしている。
いくつかの輸入木材種の合法性もヨーロッパなどへの輸出に際して、大きな問題となっている。具体的には、ラオス、カンボジアから陸路で輸入される材の多くは違法伐採に由来するものではないかと見られている。 産業貿易副大臣のTran Quoc Khanh氏は、輸出のための商品の原産地証明の問題について警告し、ベトナムのイメージに悪影響を及ぼしかねないとしている。また、ベトナムの米国総領事館の副総領事であるティム・リストン氏もこの問題を憂慮しているとのコメントが出された。