台湾では、マツ合板の特殊な山形の杢(木紋)が好まれ、構造材だけでなく、装飾材としてもよく使われている。例えば、壁面の装飾材や合板を重ねた断面を活かしたオープン式の戸棚などが挙げられる。マツ合板の単板の主な輸入元は南米(チリ)や南半球(ニュージーランド)である。
合板のサイズは、欧米の一般的な規格の4インチ×8インチ(1220 mm × 2440 mm)を中心としており、厚さは12、15、18 ㎜などのものが多い。一方、輸入合板は、この他に厚さ25、30 mm なども見られる。
マツ合板 F1レベルの市販価格は、NT$650~1,120/枚(12~18 mm、B/CPレベル)、輸入品(ブランド- ARAUCOPLY)はNT$1,280~4,100/枚(9~30 mm、レベルB / CP)となっている。
合板用のカバ原木は、主にヨーロッパ産の輸入材が使われている。製造方法はマツ合板と同じだが、規格が少し違う。一般的な4インチ × 8インチ(1220 mm x 2440 mm)のほかに、消費者のニーズによって5インチ × 5インチ(1550 ㎜ × 1550 ㎜)なども輸入する。異なるサイズを使用することにより、加工時の廃棄材が少なくなり、コスト削減できるというメリットもある。主な厚さは、普通9、12、15、18 ㎜である。
台湾における樺合板の主な用途は、書棚、食器棚、家具である。他にも、楽器の木箱ドラム、ラッパ、滑り車、おもちゃ、カルチャーグッズなどにも使わている。
台湾で販売されている樺合板の価格は、5インチ × 5インチ(1550 ㎜ × 1550 ㎜)のものは約1200~2200 /枚(9~18 ㎜、レベルCP/C)で、4インチ × 8インチ(1220 ㎜ × 2440 ㎜)のものは約2100~3600 /枚(9~18 ㎜、レベルBB / BB)である。
台湾では、伐採制限があるので、ツキ板原料のほとんどは、輸入材に頼っている。輸入元は、北米、南米、東南アジア、アフリカ、ヨーロッパなどの地域で、樹種は、グミ、クルミ、キリ、セン、チェリー、カエデ、ヒノキなどである。加工方法は不織布・牛革紙(※1)、3mm板挟み(※2)、セメント板(シリコンカルシウム板)(※3)という3つに分けられる。
※1:不織布・牛革紙 … 一般的に段面や縁に使われる
※2:3mm板挟み … 壁、棚、家具などに使われる
※3:セメント板(シリコンカルシウム)… 繊維セメント板やシリコン酸カルシウム板に直貼する
色合いは、かつては木材に近い暖色系が主流だったが、近年、北ヨーロッパ風の設計が市場に受け入れられるにつれて、多様化の傾向にある。例えば、石材やレンガなどの空間に合うために、白コーティング処理を施したり、灰色、黒などを基調とした特殊な模様も見られるようになった。
市場では、非常に競争性があり、価格の差が激しい。4インチ × 8インチで3 ㎜の板挟み加工のものでNT$1000~5000/枚である。樹種の他、厚さ、塗装方式などに応じて価格差が出ている。