2018年は台湾政府の首長改選の年にあたり、公共事業もその影響を受けて減速し、2015年以来の低迷状態が継続することとなった。2019年上半期においても景気全体に明らかな回復は見られず、その影響により、木材市場における需要も低い水準で推移した。
下記は、2019年1月から5月までの木材製品供給概況についての概要である。
原木輸入量は19万4,440m3と、昨年同期と比べて4,951m3の減少(2.5%減)となった。国別の内訳は次の表のとおり。
製材輸入量は54万9,389m3であり、昨年同期と比べて3,881m3の増加(0.7%増)となった。国別の内訳は次の表のとおり。
合板輸入量は21万4,360m3であり、昨年同期と比べて2万1,566m3の減少(9.1%減)となった。中国からの輸入量が最多で 9万8,916m3(46.1%)、次いでインドネシアが 5万972m3(23.8%)、マレーシアからの輸入量は大幅に減少し、4万3,436m3(20.3%)となった。これは原木供給量が縮小し、価格が高騰したことによるものである。
ブロックボード輸入量は2,230m3で、昨年同期と比べて491m3の減少(18%減)となった。大部分は中国からの輸入(99.8%)であるが、これは台湾のブロックボード市場の1~2%を占めるに過ぎない。
単板輸入量は8万9,480m3で、昨年同期と比べて2万306m3の減少(18.5%減)となった。減少した原因としては、今年に入りマレーシア及びインドネシアの輸入合板価格が大幅に値下がりし、台湾の工場で製造する合板の価格的な優位性が低下したことで、生産量が減少し、これに伴って単板の需要量も減少したためと考えられる。
ランバーコアの輸入量は14万8,251m3であり、昨年同期と比べて2万4,103m3(19.4%増)と大きく増加した。インドネシアから輸入するマラッカギンネム材のランバーコアが最多で、計14万5,121m3(97.9%)であった。そのほか、マレーシアから輸入するラワン材のランバーコア、ベトナムから輸入するユーカリ材のランバーコア、中国から輸入するユーカリ材のランバーコアがあるが、いずれも数量は1,000m3以下である。
ランバーコアの輸入量が大きく増加した原因としては、インドネシアのランバーコアの材料価格が昨年末に底を打ち、今年に入って回復し始めたため、価格の継続的上昇を警戒した業者が、数ヶ月の間に大量に輸入したためである。
パーティクルボード輸入量は12万8,035m3であり、昨年同期と比べて2万8,273m3の減少(18.1%減)した。タイからの輸入量が最多で、計4万4,920m3(35.1%)、次いでトルコから2万7,557m3(21.5%)、イタリアから1万4,949m3(11.7%)、中国から1万2,135m3(9.5%)、ルーマニアから1万845m3(8.5%)であった。
パーティクルボードの輸入量が大きく減少した原因としては、不景気により、システム家具やオフィス家具の需要が減少し、パーティクルボードの加工量もこれに伴って減少したためである。
ファイバーボード輸入量は5万152m3であり、昨年同期と比べて1万733m3の減少(7.6%減)した。タイからの輸入量が最多で、2万5,948m3(51.7%)、次いで中国から4,438m3(8.9%)、インドネシアから3,870m3(7.7%)、マレーシアから3,673m3(7.3%)、ニュージーランドから3,387m3(6.8%)、ドイツから2,343m3(4.7%)であった。