台湾の建設市場は全土にわたり、この一年、労働者不足や工賃と建築資材の価格高騰という問題に見舞われている。この要因としては、次の内容が考えられる。
国泰建設の林副総経理は「現在発注済の新築案件の鉄筋とセメントがここ一年来50%も値上がりし、型枠工の発注コストも50%上昇、またこの先のコンクリート工、電気工、内装工等の工賃も総じて値上がりするだろう」と述べた。
不動産開発公会全国連合会の楊理事長や台北市不動産開発公会陳栄誉理事長も現在建設コスト上昇は台湾全土で生じている問題で、最も大変なのは「労働者不足」であると述べている。具体的には次のような問題が生じている。
大陸工程台湾事業所の陳総経理は「型枠、鉄筋、セメント等三大項目の工賃がここ一年で平均50%以上の上昇幅で、これらは建設総コストの約3割を占めることにより、建設総コストは約15%値上がりすることになる。しかし、この値上げラッシュはまだ第一段階に過ぎず、これから塗装、水回り、電気等も値上がりするだろう」と示唆した。
このような台湾の建設市場が直面する労働者不足、工賃や建築資材の値上がりという要素に伴って、現在国内のデベロッパーは、先に建設し後に販売する方法や建設と販売を同時に行う等の方法で対応している。また、一般の建設業者は、この建設コスト上昇の流れが今後3~5年内は止まらず、短期的な住宅価格の下落や小幅下落も望めないと見ている。