インドは木材・木材製品の純輸入国である。主要な輸入品は、原木、製材、合板、単板、パーティクルボード、ファイバーボードなどであり、輸出は、主に無垢材を使用した木製家具などである。近年は、国内挽き製材よりも輸入製材の方が品質がよいことから、製材輸入が増加している。
一方で、チーク、マンゴー、シシャムなど熱帯インド産の広葉樹から作られた木材製品の一部は、海外のニッチ市場へ輸出されている。輸出の80%以上は、米国、カナダ、オーストラリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、イギリス等の先進国へ向けられるが、国内の製品ラインと市場の多様化に伴い、いろいろな国に輸出されるようになってきている。
インド市場における米国からの輸入広葉樹は、2020年はコロナによる景気後退があったが、その後、ほぼもとの水準に戻っている。米国広葉樹輸出協会(AHEC)によれば、インドの急速な経済回復に合わせて、2021年第1四半期の米国広葉樹製材・単板のインドへの輸出額は、231万ドルに達した。
米国農務省(USDA)によると、2021年第1四半期の米国からの広葉樹製材輸出は11億5900万ドル、広葉樹単板輸出は11億4900万ドルであった。 加工品の輸出額はまだ低いが、ここ数年増加傾向にある。