台湾の木材輸入量(2021年1~7月)
2021年上半期において、台湾は依然として新型コロナウイルス影響を受け、多くの業界が経営不振に悩まされたが、木材市場では建設市場の好景気と世界経済の回復により、一部の品目ではかえって成長が見られ、今年1~7月の木材製品の輸入は増加傾向を見せた。
1・原木
2021年1~7月の原木輸入量は222,316 m3であり、昨年同期比で15.0%の減少となった。
- ニュージーランドからの輸入量が83,191 m3で37.4%を占め、連続三年の首位となっている。樹種はラジアータパインであった。
- 日本からの輸入量は56,727 m3で25.5%を占め、第二の仕入れ国であった。樹種はスギが大宗を占めた。
- マレーシアからの輸入量は28,410 m3で12.8%を占め、主にラワンと雑木であった。
- パプアニューギニアからの輸入量は26,475 m3で11.9%を占め、主に熱帯雑木であった。
- ソロモン諸島からの輸入量は6,441 m3で2.9%を占め、主に熱帯雑木であった。
以上の5カ国から輸入されたものが、原木輸入量全体の約9割を占めた。
2・製材品
2021年1~7月の製材品輸入量は890,916 m3であり、昨年同期比で12%の増加となった。
- カナダからの輸入量が328,325 m3で36.9%を占め、第一位であり、SPF、ベイマツ、ヘムロックが大宗であった。
- 欧州からの輸入量が240,234 m3で27.1%を占め,第二位であり、主にクモスギ、アカマツ、オークであった。
- ニュージーランドからの輸入量が56,078 m3で6.3%を占め、主にラジアータパインであった。
- 中南米からの輸入量は55,233 m3で6.2%を占め、樹種は多樣で、主に家具および装飾用の広葉樹材であった。
- インドシナ半島からの輸入量は49,949 m3で5.6%を占め、樹種は多樣で、主に家具および装飾用の広葉樹材であった。
- マレーシアからの輸入量は47,960 m3で5.4%を占め、樹種は主にラワンと雑木、用途は主に家具および装飾用であった。
- 中国からの輸入量は35,841m3で4.0%を占め、樹種は多樣で、主に家具および装飾用の製材であった。
- オーストラリアからの輸入量は29,070 m3で3.3%を占め、主にラジアータパインであった。
- 米国からの輸入量は28,756 m3で3.2%を占め、サザンパインとヘムロックが多数を占めた。
3・合板
2021年1~7月の合板輸入量は358,112 m3であり、昨年同期比で2.1%の減少となった。合板輸入量にはLVL角材が約36,000 m3含まれており、主に中国から輸入されたラジアータパイン、ポプラ等であり、マレーシア、インドネシア等から輸入されたラワン、熱帯雑木材のLVLも少量含まれていた。
- 中国からの輸入量は203,379 m3で56.8%を占め、第一位であった。
- インドネシアからの輸入量が81,266 m3で22.7%を占めた。
- マレーシアからの輸入量が48,055 m3で13.4%を占めた。
- ベトナムからの輸入量が16,095 m3で4.5%を占めた。
- ロシアからの輸入量が6,353 m3(主にカバノキ合板)で1.8%を占めた。
4・ブロックボード
2021年1~7月のブロックボード輸入量は1,965 m3であり、昨年同期比で44.5%の増加となった。輸入量の99%以上は中国からのものである。ブロックボードは国内製品が主であり、市場における輸入製品の占める割合は低い。
5・単板
2021年1~7月の単板輸入量は119,980 m3であり、昨年同期比で9.4%の減少となった。主にコロナ禍の影響を受け、産地における生産量と海運や交通が阻害されたためである。
- 中国からの輸入量が52,388m3で43.7%を占め、第一位であり、主にユーカリの中板であった。
- マレーシアからの輸入量は14,723 m3で12.3%を占め、主にラワンと熱帯雑木の表板と裏板であった。
- ベトナムからの輸入量は12,013 m3で10.0%を占め、主にユーカリの中板であった。
- ニュージーランドからの輸入量は10,706 m3で8.9%を占め、主にラジアータパインの中板であった。
- チリからの輸入量は7,501 m3で6.3%を占め、主にラジアータパインの中板であった。
- ブラジルからの輸入量は5,852 m3で4.9%を占め、主にラジアータパインの中板であった。
- カメルーンからの輸入量は5,191 m3で4.3%を占め、主にオクメの表板と裏板であった。
- パプアニューギニアからの輸入量は3,747 m3で3.1%を占め、主に熱帯雑木の表板、裏板および中板であった。
6・ランバーコア
2021年1~7月のランバーコア輸入量は210,097 m3であり、昨年同期比で4.2%の減少となった。輸入されたランバーコアの大部分はインドネシアからのものであり、輸入量は200,351 m3で全体の95.4%を占め、主にマラッカンギンネム材である。
ランバーコアの輸入数量に基づく推定によると、1~7月のブロックボードの生産量は275,400 m3以上に達し、台湾ブロックボード市場の大多数(約99.3%)を占めると見込まれる。
7・パーティクルボード
2021年1~7月のパーティクルボード輸入量は272,493 m3であり、昨年同期比で27%の増加となった。主な要因は、輸出の増加と国内建設市場の好況の恩恵を受け、家具および室内装飾の需要が増加したことによるものである。
- タイからの輸入量が98,750 m3で36.2%を占め、第一位であった。
- トルコからの輸入量は69,844 m3で25.6%を占めた。中国からの輸入量は37,149 m3で13.6%を占めた。
- イタリアからの輸入量は22,144 m3で8.1%を占めた。
- ルーマニアからの輸入量は16,815 m3で6.2%を占めた。
- オーストリアからの輸入量は13,579m3で5.0%を占めた。
- ドイツからの輸入量は7,886 m3で2.9%を占めた。
8・ファイバーボード
2021年1~7月のファイバーボード輸入量は107,629 m3であり、昨年同期比で23.9%の増加となった。パーティクルボードと同様に、輸出市場の伸長と国内家具および室内装飾需要の成長の恩恵を受けたことが主な要因であった。国別状況(主な輸入元)は次のとおり。
- タイからの輸入量が63,569 m3と最多で59.1%を占めた。
- 中国からの輸入量が10,666m3で9.9%を占めた。
- インドネシアからの輸入量は6,364 m3で5.9%を占めた。
- ドイツからの輸入量は5,355 m3で5.0%を占めた。
- ベトナムからの輸入量は5,013 m3で4.7%を占めた。
- ベルギーからの輸入量は4,393 m3で4.1%を占めた。
- ニュージーランドからの輸入量は3,646 m3で3.4%を占めた。
今年度の見通し
2021年上半期において、台湾の木材市場も新型コロナウイルスの影響を免れなかったものの、全体として見れば、他の多くの国内産業に比べて好調であったと言える。
主な要因は、世界的にワクチン接種率が増加し、経済が回復、さらには国内建設市場においても、台湾企業および外資系企業の台湾における購入と投資が、主に、製材、パーティクルボード、ファイバーボード等の木材製品の需給量を支え、顕著な成長をもたらしたことによるものである。今年度全体の見通しについても、比較的好調と予想される。