インドにおける木材製品認証と新たなイニシアチブ

木材製品の認証

Made in India及びSelf-reliant Indiaの政策を推進する上で、インドの合板及びパネル産業は重要な役割を果たしてきた。当業界の木材需要のほぼ90%は、農園・アグロフォレストリーの木材、即ち森林外で育てられた樹木(TOF)から供給されている。木材ベース産業は、農園での木材生産推進を維持するため、単板、製材、合板、MDF、パーティクルボードの加工施設を有していることから、短期間での木材供給増産が維持され、農民が報酬を入手することを可能にしている。

しかし、世界的には、木材製品のFSC認証が輸出市場を主導する状況となっている。農場・アグロフォレストリー木材に基づくFSC認証製品がどの程度あるかはわからないが、自らの農園を持っている人だけが可能である。このため、今日、木材ベースパネル産業へほぼ100%供給している国内の小農家を維持するためには、農園材のFSC認証プロセスを単純化する必要がある。輸入業者が、FSC認証がなければ受け入れないならば、インドのパネル製品をFSC認証製品として輸出することはできなくなる。したがって、農園材の認証には別の仕組みが必要であり、農園材に依存するすべての木材ベースのパネル製造業者を代表して、環境・森林・気候変動省のホンブル大臣に対し、農園・アグロフォレストリー材を自己認証材として宣言するよう要求が行われた。

回復基調にある合板・パネル産業

主に零細・中小企業で構成される合板およびパネル産業のうち組織化された企業のほとんどは、毎月の売上高がコロナ前の売上高レベルの80〜85%となり、2021年9月にはコロナの影響から概ね完全回復した。

新たな在宅勤務形態では、人々がより機能的で設備の整った大きな家に移動していくので、ブランド力のある合板業界に「プラスの影響」を与えると予想される。ブランドと品質に対する意識の高さから、組織化されたセクターへのシフトが進んでいる。高い信用性と、多様な顧客ニーズや価格帯にまたがる豊富な製品構成を背景に、堅調な地方市場や、自宅での仕事や勉強に適した家具が受け入れられている。

ファイアウォールテクノロジーと呼ばれる革新的な合板を開発した合板・装飾におけるインド最大のメーカーの1つであるセンチュリープライウッド社は、ブランディングおよび流通ネットワークに向けたイニシアチブをとっている。独自に開発されたファイアウォール技術は、火災や有毒ガスの拡散を抑えることで、人命を救い、家具の損傷を最小限に抑える可能性がある。さらに、ウイルス、バクテリア、真菌に抵抗性のあるVirokill plyとして知られている新たな合板製品の製造も開始している。