北米における日本スギの可能性

日本スギ・ヒノキに一部関係する他の針葉樹無地造作市場

2021年の針葉樹造作材市場は、ブラジルなどからの海外材も大きく影響しているものと見られ、夏と比べ10~20%の上昇にとどまっている。ローエンド市場であるラジアータパインなどの無地材とは異なり、ハイエンド市場であるベイツガのクリア材を算出するBC州沿岸部のオールドグロスの伐採縮小政策が、原住民と共同して進められることになったため、将来のハイエンド針葉樹造作市場の行方には業界の注目が集まっている。

日本スギ・ヒノキに最も関係が深いベイスギ市場

ベイスギについては、生節を強調した抜節なしのサイディングやデッキ材の多くは、オールドグロスの造材縮小政策が始まる沿岸部から出荷されているので、日本スギの参入可能性は、短期・長期的には良好なものと展望される。

前年(2020年)に比較した木材価格については、乾燥済みサイディング、造作用2x4材(2x4~6)、角材150x150mm上の市場は、各サイズとも昨年より30~40%上昇している。一方で、造作用2x4材の幅広や一般デッキ材は15%程度の上昇にとどまり、また、特に26mm材は15%ほど下落して横ばいとなっている。

今夏に比較した木材価格については、19㎜材は概ね価格を維持しているが、デッキ材、特に26mm材は30~35%急降下した後、現在は横ばいの価格状況となっている。フェンス材はゆるやかに下落して、結果的には10~15%の下落となった。

今後の短期的見通しとしては、スギの無地19㎜材、また、長期的には26㎜や38㎜のデッキ材及び角材も展望良好と考えられる。長さに関しては、現在でも4.85mものが全体の20~35%あるかないかで価格にかなり差があるようである。