2022年のベトナムの木材・木製家具企業は、年初に受注が満杯であったのとは裏腹に、米国やEUなどのインフレや原材料費の高騰により、顧客からの注文キャンセルが相次ぎ、多くの困難に直面している。
税関総局によると、6 月の木材・木材製品の輸出高は前年比で 11% 近く減少し、1~7月の木材・木材製品の輸出は 104 億米ドルで、前年比 1.3% の増加にとどまった。市場関係者によると、木材産業は今年後半の輸出注文の大幅な減少が予想されている。
ベトナム木材林業協会 (Vifores) が実施した木材産業に関する調査では、ほとんどの企業が米国、EU、および英国市場で収益が減少している。米国に輸出している 45 社のうち 33 社は、今年当初の数か月と比べて収益が 40% 近く減少したと述べている。 EU と英国でも同様の傾向が見られ、調査対象企業の3 分の2が 41% 以上の収益減少を報告している。また、71%の企業が年末にかけて受注が減少し続けると回答し、現在の市場状況では、44% の企業の予想収益が通年で44% 減少すると回答している。
Bao Hung Wooden Furniture Export Company の総支配人であるマン氏は、7 月にキャンセルされた注文数は 30% 以上あると述べ、 EUおよび米国市場での購買力の低下に対応して、他の国よりもインフレの影響が少ない日本と韓国への家具の輸出を後押しすることを目指しているという。生産を維持するために国内市場に目を向ける企業も見られるとのことである。
市場の切り替えや新しい市場の開拓は容易ではないが、これにより、一連の注文が拡大、縮小、またはキャンセルされた場合でも、木材・木製家具メーカーが損失を最小限に抑えることができるとマン氏は語る。 さらに、専門家は、原材料の輸入価格を引き下げて競争力を高めるために、木材企業は木材の供給を多様化し、熱帯諸国からの輸入の割合を減らし、リスクの低い供給源からの割合を増やすべきだと述べている。
ベトナムは現在、世界市場の 4% 以上を占め、木材・木製品の世界第 6 位の輸出国となり、アジアで第 2 位、東南アジアで最大となった。税関総局の統計によると、2021年にはコロナの影響にもかかわらず、木材・木製品の輸出は17.6% 増加し、141 億 2000 万ドルになった。
ベトナム政府は、 2025 年までに 200 億ドルの木材輸出を目標とし、また、国内消費のための木材・木材製品は、2025 年には 50 億ドルに達し、2030 年には 60 億ドル以上に達すると見ている。木材業界は、高度な技術を備えた木材加工機械および保存施設の割合を 80% 以上にすることを目指し、輸出用および国内消費用のすべての木材・木材製品は、木材の合法的な原材料により、これらの施設から生産されることを目指している。2030年までに、国内の木材加工産業は重要な経済部門となり、木材・木材製品の生産、加工、輸出において世界をリードする国の 1 つになることを目指している。
とはいえ、2025年木材輸出200億ドルの目標達成は、世界経済の動向及び新たな市場開拓の行方にかかっており、不透明な状況が続くと思われる。