小片乾燥は、熱圧の際のパンクを防ぐために必要な工程です。接着剤は一般にスプレイ塗布で、添加量は表層11~13%、内層7~8%(対全乾木材比)。普通、接着剤の中に硬化剤と防水剤(ワックス)が少量加えられます。
マット成形(ホーミング)工程では、3層ボードの場合、小片を表層と内層で別個に堆積させますが、多層ボードでは、風力または、はねとばし分級によって表層の微小片から内層の粗大片まで連続的に堆積させます。OSBの場合は落下する小片に方向性を与える方法として機械的のものと電気的のものがあります。
熱圧には、普通多段プレスが用いられますが、大面積の一段プレスの場合もあります。この熱圧条件(小片含水率、温度、圧締圧、時間)がボード材質を左右します。一般に圧締圧は15~35g/cm2 、温度は 140~ 160℃(U、Mボード)と180~200℃(Pボード)。時間はボード厚さ1mmに対して多段30秒、一段プレスで約10秒。最近は新しい熱圧法として連続プレスや蒸気噴射プレスが開発され、能率と品質向上に役立っています。
パーティクルボードの規格
パーティクルボードの規格寸法
(備考)標準品の厚さは10,12,15,18,20,25,40mmであり、化粧パーティクルボードの厚さは基準の厚さに化粧層の厚さを加えたものをいう。
パーティクルボードは、JISにより寸法、性能、試験法が規定されています。表2はパーティクルボードの寸法及びその許容差で、表3は性能に関する規定です。
(1)曲げ強さ
曲げ強さが18.0N/mm2以上のもの、同13.0N/mm2以上のもの、同8.0/mm2以上のものを、それぞれ18タイプ、13タイプ、8タイプ・パーティクルボードと称しています。そのほか配向性ボード、ウェーファーボード、単板張りパーティクルボードを対象として24-10タイプ、17.5-10.5タイプ、30-15タイプの規定があります。
(2)接着剤
建築の構造用パネルに使うためには、ユリア樹脂接着剤(Uタイプ)では耐水性が不十分で、より耐水性のあるユリア・メラミン共縮合樹脂接着剤(Mタイプ)か、フェノール樹脂接着剤(Pタイプ)を使う必要があり、表4に示す接着剤の規定があります。
(3)ホルマリン臭
ユリア樹脂を接着剤にしたボードは、おうおうにしてホルマリン臭が出て、使用上問題になることがあります。JISではこのような問題の発生をさけるため、出荷時のホルムアルデヒド放出量をデシケーター法により5mg/l以下(E2タイプ)に規制しています。特に放出量の少ないものが必要な場合には、放出量を0.5mg/l以下に抑えたE0タイプと、その中間の1.5mg/lのE1タイプがあります。
なお難燃性はJIS A1321(建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法)の規定によっています。また断熱性は必要に応じ、熱抵抗をJIS A1420(住宅用断熱材の断熱性能試験方法)で測り、厚さ1mm当たり約0.0072m2・h・℃/kcal以上という規定に適合しなければならないとされています。以上のほか、OSBを対象として構造用パネルのJAS規格が作られています。
パーティクルボードの利用
パーティクルボードの最近の需要構成は、家具56%、建築30%、電機器11%で、家具のシェアが最高ですが、しかし、パーティクルボードは、今後合板代替材として建材にも伸びて行く材料です。
(1)建築構造用:市販の構造用のパーティクルボードの性能は表6に示すとおりです。曲げ強さ、曲げ弾性係数は合板より数段おとりますが、15mm厚の場合曲げ破壊荷重は12mm厚の構造用合板を上回っています。また、面内剪断弾性係数は合板の2~3倍、くぎ頭貫通力、釘側面抵抗も合板より大きい値を示し、厚さが厚い方が有利であることを示しています。耐水性の程度を示す煮沸試験の結果は、Pボードが合板に匹敵する性能を示し、構造用材料に使用しうることを示しています。
木造住宅枠組壁工法の住宅金融公庫共通仕様書には耐力部材として、建設省告示により認められた壁倍率JIS18 、13、24-10及び17.5-10.5のPタイプで厚さ12mm以上のものが3倍と記載されています。また床下張りは50cmを超える床根太間隔の場合、 JISの同様タイプのPとMタイプで厚さ18mm以上のものが認められています。また野地としては厚さ12mm以上の同様タイプのものが認められています。 在来工法では大壁面材耐力壁の公庫仕様書に厚さ12mm以上のJIS18、13、24-10及び17.5-10.5 Pタイプのものが、壁倍率2.5倍として、また野地としてはJIS13以上のP及びMタイプの同様厚さのものが認められています。
(2)家具用:13タイプのUボードが主流で、テーブル心材にべたで、また箱物家具のフラッシュパネルの枠心材に切り使いされています。しかし、今後は組立家具にべた使用が増えて行く傾向にあります。そのほか音響特性を活かし、各種キャビネットに使われています。