板または棒状の挽き材を繊維方向を同じにして集成接着した材で、均質で、任意の大きさを得ることができます。大型建造物から家具まで幅広い分野で使用され、最近は狂いの少ない精度の良い木材として、住宅建築にも多く用いられるようになっています。 1)日本農林規格によれば「ひき板又は小角材等をその繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅及び長さの方向に集成接着した一般材をいう」と定義付けられています。 建築の構造材として梁、柱など所要の耐力を持つ大、中、小断面の構造用集成材、在来軸組工法用の化粧張り構造用集成柱、および表面に化粧張りした長押、敷居、鴨居、廻り縁などの内装用や家具用の造作用集成材が造られています。 用いる樹種は、針葉樹ではスギ、ヒノキ、カラマツ、エゾマツ、ベイマツ、ベイツガ、スプルースなど、広葉樹ではナラ、タモ、カバ、ラワンなどです。これらの厚みが10mm~50mmの板あるいは棒状のラミナ3枚~10数枚を接着剤で貼り重ねて必要な断面、長さ、大きさ、形状を持った材にします。 材料を板や棒状の形にして乾燥するので乾燥が行き届き、この結果出来上がった集成材は充分な乾燥材となるので狂いのない木質材料となります。さらに、集成接着の前に欠点を除去するので、出来上がった集成材は欠点のない均質な材料になっています。 2)最近各地で建設されている大型の木造建築は、強度計算に基づき設計された断面、寸法、構成で造られた大断面構造用集成材によって建築可能となりました。 木造住宅では、見えがかりの柱にヒノキ、スギ単板をはった化粧ばり集成柱が、また長押、鴨居、廻り縁なども化粧ばりされた造作用集成材が使われてきましたが、最近は3階建ての通し柱などの長大な強い柱材に使われるばかりでなく、狂いのない均質な柱材、梁材として通常の住宅建築に多用されています。特に冷暖房が普及した住宅内の内装材は、狂いがない集成材が好まれます。 集成材は板や棒状の木材を接着剤で一体のものに造り上げるので、その接着の確かさが大変重要です。日本農林規格でも接着の程度を厳重に検査してJAS表示を許可しています。集成材の基準は国際的な水準で世界的に共通なので最近ではアメリカ、カナダ、ヨーロッパなどからの輸入も増加しています。
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