木材利用相談Q&A 100
住宅 - 集成材などに関する利用相談
Q39 | 腐らない木材、燃えない木材はあるのでしょうか? |
腐らない木材としては、防腐剤を完全に注入させた木材や樹脂を注入・反応させた樹脂含浸木材などがあります。燃えない木材は厳密にはありませんが、木質材料を防火薬剤で処理する事によって、燃え始める時間を遅らせたり、炎の広がる速度を遅くして普通の木材より燃えにくくする事はできます。 1)腐らない木材としては、防腐・防蟻剤を木材中に完全に注入させた木材、ビニル系モノマー等の樹脂を注入し反応させて木材と一体化させた樹脂含浸木材(WPC)などがあります。 2)燃えない木材は厳密に言えばありません。石こうやセメントのような無機質のものはどんなに温度を上げても燃焼することはなく、これらのみで作られた石綿スレート、石こうボードなどは不燃材料といいます。しかし、これらに木質片を混合した木片セメント板、石こうボード、木毛セメント板は火焔で加熱したとき炎をあげて燃えなくても、温度が次第に高くなって180℃付近になると木質部は熱分解が始まり、500℃位までの間に一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、メタンガスなどの気体に分解されてしまいます。このことはどのような処理をしても避けられないものです。それゆえ、木材を使った材料は不燃材料とはいえません。 3)どんなに燃え難くなった材料を使用したとしても、木質材料を用いる限りは「準不燃材料」です。さらに、防火薬剤で処理した合板、ハードボード、パーティクルボードなどは無処理の材料に比べて、燃えはじめる時間が遅くなり、炎の拡る速度も遅くなりますが、燃えないとはいえないので、「難燃材料」といいます。それゆえ、全く燃えない木材を希望するならば、木材を使わないで無機質の材料をお使い頂くしかありません。 |