木材の人工乾燥装置のうち、最も多く使われているのは、蒸気式乾燥室で桟積みした木材を蒸気管によって加熱した空気で乾燥する方式です。広範な温湿度条件が設定でき、どのような樹種や材種にも対応可能です。価格は容量 15m32室、ボイラー込みで2,000万円程度です。そのほか、除湿式乾燥装置、真空式乾燥装置などが特定の材料について利用されています。 1)乾燥装置には多くの種類がありますが、主要なものは次のようなものです。 - 蒸気式乾燥室-内部送風機(IF)型:現在最も多く使用されている方式です。材を桟積みして乾燥室に入れ、室内の空気を蒸気加熱管によって加熱し、室内に設置した送風機
- 除湿式乾燥室-ヒートポンプ方式:一時、針葉樹材の乾燥にこの方式が流行しました。ヒートポンプ方式のためボイラーが不要で、収容材積当たりの設備費が低く、低温のため乾燥操作が容易で狂い、変色が少ない。反面、低含水率域、例えば含水率20%以下では乾燥が遅い。
- 真空乾燥機:密閉できる缶内に木材をいれ、加熱・減圧して急速に乾燥する方法です。最初、加熱方法は熱風方式でしたが、連続的に加熱できることから高周波加熱が多くなってきました。大断面材、良通気性材、短材、スライサー単板等の乾燥に有効です。
2)概略の価格と主要メーカは下表の通りです。 表1 乾燥装置の設備費 種 類 | 容 量 | 施設費 | 蒸気式乾燥室 | 30m3 (15m3×2) | 乾燥室 1,400万円 ボイラ(木屑だき 500kg/h)700万円 (重油だき 〃 )400万円 | 除湿式乾燥室 | 15m3 | 800万円 | 高周波加熱・真空乾燥装置 | 15m3 | 4,000 万円 | 表2 国内の乾燥施設主要メーカーと主製品 会 社 名 | 所 在 地 | 電 話 | 主 製 品 | (株)新柴設備 | 北海道旭川市 | 0166-61-6000 | 蒸気式 | エノ産業(株) | 北海道上川郡 | 0166-82-4000 | 蒸気 | 東北通商(株) | 秋田県秋田市 | 0188-63-1300 | 蒸気式(弱減圧) | 日本電化工機(株) | 東京都目黒区 | 03-3725-7018 | 蒸気式 | (株)ヤスジマ | 石川県金沢市 | 0762-40-3911 | 真空式 | ヒルデブランド(株) | 長野県南安曇郡 | 0263-81-5550 | 蒸気式 | 伊豆巴産業(株) | 静岡県伊東市 | 0557-53-0511 | 除湿式 | (株)タカハシキカン | 名古屋市昭和区 | 052-871-6731 | 蒸煮加減圧式 | 山本ビニター(株) | 大阪市天王寺区 | 06-6771-0606 | 高周波式 | (株)シーケイエス・チューキ | 広島県福山市 | 0849-20-3311 | 蒸気式 |
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