既に施工された床が鳴る場合は、床をはがして施工し直すしか方法はありません。床鳴りが起こらないように施工しておこうと言うことならば、(1)床の剛性を十分にしておく、(2)フローリングの施工下地を丁寧に行う、(3)フローリングの品質・施工を吟味することで完全に防止できます。 フローリングの床鳴りの原因として次のことが考えられます。 - 床全体の剛性の不足(床の上に乗る重量によって床が撓む)
- フローリング下地の施工不良(床下地の調製が不十分である)
- フローリングの施工不良(フローリングの加工、乾燥度合、施工の不適切など)
1番目の床の剛性不足の場合には床鳴りを起こしやすいのです。歩くと床が柔らかく感じたり、食器棚やサイドボードの中のグラスなどが揺れたり、音を出すような床は剛性が足りないので、早晩床鳴りを起こします。複合フローリングでは根太間隔を33cm以下に、12mm厚以上の単層フローリングでは45cm間隔にし、必要に応じて床を支える床梁、床根太を大きくして剛性の高い床下地に造り変えねばなりません。 非常に多いケースが2番目の原因です。床を直接支える床根太に含水率が高い木材が使われると、施工後の乾燥につれて収縮による隙間ができ、さらに止め付けた釘が緩みます。このため歩くと音が出るのです。根本的には十分乾燥した材を施工することが重要ですが、床施工時に2×4住宅で多用している「床用接着剤」で根太とフローリングを接着してしまうと床鳴りしません。 最近マンション施工用に裏面に防振ゴムをライニングした遮音フローリング(下図参照)が市販されています。この製品は鉄筋コンクリート造のコンクリート床に直貼りするためのものですが、木造でもこれを使用すると床鳴り防止になります。 施工には、まずフローリングの乾燥が充分なものを使うことが大切です。それにはJASマークの表示のあるものを採用すれば安心です。施工に当たってはフローリングの並べ方に技術が必要で、 荷重が掛かったとき互いにこすり合って床鳴りの原因になったり、多湿の季節にふくれあがっ たりしないよう逃げ場を作っておきます。
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