木材の種類と特性

北海道から本州の北部中部に分布し、渓流沿いにみられることが多い。また、シベリア、中国東北部、朝鮮、カムチャッカ、サハリンなどにも分布しています。その蓄積はあまり多くなく、とくに大木になることもありません。同じ属の種にヤマナラシ（ハコヤナギ）P.sieboldiiがあります。この類は一般にはポプラと呼ばれており、その名前のほうがとおりがよいかもしれません。このポプラの類は海外ではパルプの原料とされることが多く、そのために、品質がよく、成長のよいものを生産することを目標として品種改良の研究がおこなわれていますが、日本ではそれ程ではありません。

木材

心材と辺材の境界はとくにはっきりとしているとはいえません。心材はくすんだ淡褐色で、ときどきやや濃い色の縞が不規則にあらわれます。辺材は白色です。年輪はとくにはっきりしているとはいえません。肌目はやや疎です。気乾比重は0.33－0.42（平均値）－0.55で、どちらかといえば、軽軟な木材といえます。木材の耐久性は低く、シロアリにも弱く、戸外での使用には不適です。切削などの加工は容易ですが、表面の仕上げはケバ立つことが多く、よいとはいえません。

用途

日常われわれの目によく触れるのはマッチの軸木でしょう。パルプ、箱、器具、包装、経木、木毛などにも使われます。炭は火薬の原料になります。

木材特性表

※本文中の特性値の出所は、「日本の木材」木材工業編集部 公益社団法人 日本木材加工技術協会 1966 のため、上記の表と値が異なる場合があります。